新サービス「DOSI」への移行のため、2024年1月5日より順次サービスを停止・終了しているLINE NFTですが、そもそもLINE NFTとはどんなサービスだったのか、追いつかないままDOSIへと移行することになり、この機会に一挙にLINE NFTを振り返りたい方も多いのではないでしょうか。本記事では、LINE NFTについて、その特徴とメリット・デメリットを誰にとってもわかりやすく解説します。LINE NFTとは?LINE NFT公式サイト(https://nft.line.me/)より引用LINE NFTは、LINE社が提供するNFTマーケットプレイスの総称です。これらサービスはLINEアプリ内で利用することができ、気軽にNFTの売買を始めることができます。それでは、一つひとつ見ていきましょう。LINE NFTの使い方LINE NFTでは、企業コラボなどといった特別なキャンペーン(例えば、アサヒ飲料による販促キャンペーンなど)でNFTを手に入れたり、企画販売されているNFT(例えば、JR東日本による「鉄道開業150 年記念駅名標」をモチーフとしたNFT)を買ったりすることができます。もちろんLINE NFTはマーケットプレイスなのでユーザー同士でこれらのNFTを売買することも可能です。また、購入の際には、LINEの仮想通貨(正しくは暗号資産)である「LINK」を使うことも、LINE Payを使って日本円で支払うこともできます。DOSI WalletDOSI Walletは、LINEを使っている人なら誰でも使えるNFTを含むデジタルアセットを管理できるウォレットサービスです。LINE NFTでデジタルアセットを購入すると、このDOSI Walletに保管されます。(もっとウォレットの仕組みを知りたい方は、別の記事として取り上げますので、1週間くらいしたらまた戻ってきてください)Web3業界で一般的とされているウォレットにMetamaskが挙げられますが、DOSI Walletもユーザーが触れる機能面はおおむね同じです。しかし、こういったウォレット*は自分でアプリストアでインストールしたり、PCブラウザの拡張機能として導入する必要があるなど、初心者にはハードルが高いことが多いです。*ノンカストディアル・ウォレットと呼ばれたりしますが、これもまた別記事でご説明します一方、DOSI Walletの場合はアプリストアで追加のインストールをすることなく、普段から使い慣れているLINEアプリ内で利用できるため、NFTの購入や売買を簡単に始めることができます。DOSI Walletの利用はこちら:https://wallet.dosi.world/他のNFTマーケットとの違いブロックチェーンの世界では「OpenSea」や「tofuNFT」のような世界規模のNFTマーケットプレイスが多数ありますが、LINE NFTは何が違うのでしょうか。ウォレット、対応しているブロックチェーン、暗号資産の必要性という観点で比べてみましょう。ウォレット対応ブロックチェーン暗号資産の必要性OpenSeaMetamask, Coinbase Wallet, Wallet ConnectなどEthereum, Polygon, Avalancheなど購入時に必ず必要tofuNFTMetamask, Wallet Connect, TokenPocket, BSC WalletなどOpenSeaの対応に加えて、BNB, OASYS, Astar, Paletteなど購入時に必ず必要LINE NFTDOSI WalletFinshia(≒LINE Blockchain)LINE Payでも支払い可(LINKを使っても購入できる)普段からMetamaskなどを使っている方でないと、表を見てもOpenSeaやtofuNFTは対応種類が多くわかりにくいかもしれません。ただこの自由度の高さこそが初心者にとっては大きなハードルになるのです。(自由度の高さと認知負荷は反比例しますよね)一方のLINE NFTは、LINE社自身が提供するサービスで固めているため迷う必要がありません。制約とも捉えられますが、何を使えばいいかはっきりしていることは強みでもあります。LINE NFTの強みと課題LINE NFTが一般的な他のNFTサービスと何が違うのかを理解するために、まずは他のブロックチェーン(イーサリアムなど)について説明します。一般的に、NFTを取引するためには「ガス代」と呼ばれる手数料が必要です。このガス代は、ブロックチェーンを維持する「マイナー」への報酬として支払われますが、マイナーはその報酬を得ることをインセンティブにブロックチェーンの取引にまつわる計算リソースを提供し、ブロックチェーン全体に取引履歴が保存されるということになります。また、本記事では説明を省きますが、ガス代を支払うためには暗号資産を保管するウォレットが必要です。これらの複雑さがNFT市場への参入障壁となっていましたが、LINE NFTではこれらの問題が緩和され、より使いやすい環境が提供されています。LINE NFTのメリットガス代不要の利点LINE NFTの最大の特徴は、取引時にガス代(手数料)が発生しない点です。本来NFTを取引するためには、ガス代と呼ばれる手数料をブロックチェーンに支払う必要がありますが、LINE NFTの場合は追加の費用負担なしにNFTを購入・取引できます。これは、特に初心者や小規模な取引において大きなメリットとなります。また、NFT本体よりも購入する際のガス代が高いというNFTマーケットプレイスもあるので、追加手数料なく取引できるLINE NFTマーケットのメリットは大きいです。友達へのNFTギフトLINE NFTでは、友達にNFTを簡単にプレゼントすることが可能です。これは、デジタルアセットをより身近なものにし、新しい形のギフト文化を創出しています。誕生日や記念日など、特別な日にデジタルアートや限定コンテンツを贈ることができます。通常のブロックチェーンでも友達にNFTを送ることができますが、先程説明した通りガス代を負担する必要があるなど、初心者にとって気軽に贈りにくい課題があります。二次流通によるメリットLINE NFTマーケットでは、NFTアイテムに「コンテンツ料」を設定することで、マーケット内で発生した二次流通から収益を得ることが可能です。このコンテンツ料は、基本的に二次流通時の販売価格の10%に設定されており、変更することもできます。これにより、NFTの発行元は、作品が再販されるたびに、適切な利益を還元される仕組みが整っています。LINE NFTを利用するクリエイターやユーザーは、購入したNFTを再度マーケットプレイスに出品することができるので、二次流通が発生するたびにコンテンツ料が発行元に還元されます。このように、LINE NFTマーケットでNFTを購入することは、単にデジタルアイテムを手に入れるだけでなく、お気に入りのコンテンツやアーティストを直接支援する行為となります。ファンは、好きなクリエイターの作品を購入することで、彼らの創作活動を経済的に支えることができるのも大きなメリットですね。LINE NFTのデメリットプラットフォームの制約LINE NFTはLINEのプラットフォーム内でのみ利用可能で、他のNFTマーケットプレイスとの互換性はありません。そのため、利便性とのトレードオフではありますが、LINEがサービスを終了した場合、これまで購入したNFTや資産を失う可能性があります。LINE BITMAX連携の手間LINE NFTを利用するためには、LINE BITMAXとの連携が必要です。これが一部のユーザーにとっては手間となる可能性があります。LINE BITMAXとは、特に、仮想通貨取引に不慣れなユーザーにとっては、初期設定がやや複雑に感じられるかもしれません。個人出品の制限現在、LINE NFTでは個人が自由にNFTを出品することはできず、特定の企業や団体に限られています。これにより、個人クリエイターが自身の作品を直接市場に出すことが困難です。LINE NFTの将来についてLINE NFTは、その使いやすさと豊富なコンテンツで、今後も多くのユーザーに利用されることが期待されています。LINEアプリから簡単にアクセスできる利便性や、母体がソフトバンクグループであることから、関連企業との協業により、さまざまな体験が提供される可能性があります。これにより、NFT市場はさらに活性化し、多くの人々が気軽にNFTを売買できるようになるでしょう。LINE NFTの使い道は?LINE NFTは、記念品や投資対象としての資産、またはゲームアイテムとして利用できます。購入することで、独自のデジタルアイテムを所有し、クリエイターを支援することも可能です。利用に料金はかかる?LINE NFTの購入には手数料はかかりません。出品時には、DOSI Walletに保管されているコンテンツを使用してNFTを作成でき、販売価格からコンテンツ料と受取手数料が差し引かれます。LINE NFTでNFTを始めようここまで解説を読んでいただきありがとうございます。LINE NFTが、他のブロックチェーン上のNFTと何が違い、便利なのかについて理解いただけたのではないかと思います。最後にまとめて終わります。LINE NFTはLINEアプリ内で利用できるNFTマーケットプレイスで、手軽にNFTの売買が可能。仮想通貨「LINK」やLINE Payを使用して取引できる。DOSI Walletを使用することで、追加のインストールなしにLINEアプリ内で暗号資産を管理。初心者にも使いやすい設計。LINE NFTはガス代が不要で、友達へのNFTギフトが簡単。二次流通によるコンテンツ料で収益を得ることが可能。ぜひ、LINE NFT でNFTの世界を楽しんでみましょう。